英検準1級に受からないのはなぜ?「準1級に通らない病」の正体

こんにちは、最近英単語帳集めにはまっている、DIC学園久留米校の出口純也です。

さて、大学入試改革により、英語の民間試験(英検、GTEC, TEAPなど)の需要が高まりました。難関大を志望される方の中には、「高3のうちに英検準1級を取る必要が出てきた」となる方も多いのではないでしょうか。

しかし、この英検準1級は、なかなか合格できない「大きな壁」になることがしばしばあるのです。

《かっこ埋め問題の2つのタイプ》

英検準1級の最大の難所の1つは「大問1」です。(  )に入る語句を答える「かっこ埋め問題」なのですが、これが非常に厄介なのです。そのことを理解するためには、かっこ埋め問題の特徴を理解しておく必要があります。

多くの英語の他の試験でも同様に、「(   )に単語・熟語を入れる問題」が登場します。その問題は、問われているものから大きく2種類に分類できます。

(1)文法の理解を確認する問題

(例題)I want to know if people enjoyed (       ) the song.

1) sing 2) singing 3) singer  4) sung         正解 2

まずは、選択肢に似たような意味の語を並べ、文法の理解を確認する問題です。

例えば、上の例題では、「enjoyという動詞の後ろに置けて、the songという名詞句の前におけるものは動名詞である」という文法の知識を知っているか問われています。言い換えれば、singの意味が分からなくとも、「動名詞は、動詞にingをつけたものだ」という文法知識があれば解けます。

(2) 語彙・語法を確認する問題

(例題)I wanted to know the (      ) plan, but his explanation was totally vague.

1) concrete  2) ambiguous  3) gigantic  4) prismatic   正解 1

もう一方は、同じ品詞の語を並べ、解答者の語彙サイズを聞く問題です。

上の例題1の選択肢に出てきている単語は全て形容詞です。ですので、上の「文法の理解を確認する問題」の手法では解答することが出来ません。この手の問題は、文法の知識以上に「選択肢の語の意味を全て知っているか」が決定打になります。

《英検準1級のかっこ埋め問題に潜む問題》

なぜ、英検準1級のただのかっこ埋め問題が最大の難関になりうるのでしょうか。

第一のポイントとして、膨大な単語量を知らなければ、大問1を解答できないためです。

英検2級以上のかっこ埋め問題は、ほぼ100%が「語彙・語法を確認する問題」です。つまり、選択肢の単語をほぼ全て知っていなければ、解けないような問題なのです。文法を勉強しただけで挑んだのでは、全く太刀打ちできません。

では、どれだけの英単語を覚えれば安定して解答できるのか、英検準1級の場合は「10000~11000語*」が目安です。英検準1級の大門1の選択肢の単語を調べてみたところ、選択肢の単語の殆どはSVL Levelで5-11、つまり11000語知っていれば、分からない単語がたまに出てくるものの、選択肢の単語は概ね知っている(=解ける)状態になれるのです。

一方で、英検2級に合格するために必要な単語力の目安は、わずか「5000語」(SVL Level 1~5)。高校までで学習する単語が4000語程度ですから、さらに単語帳1・2冊(1000~2000単語)覚えれば合格できるレベルなのです。それでも、単語帳を覚えるのは生徒にとっては相当大変だっただろうと思います。

しかし、英検準1級を受けるためには、その「倍の労力」を単語に注がなければなりません。2級合格の語彙は5000語、準1級の場合は11000語、その差は6000語です。ですから、英検2級に合格し、英検準1級に挑もうとする場合は、その間に単語帳4・5冊分を覚えなければなりません。生半可な覚悟では大問1は攻略できないのです。

では、「その部分を捨ててほかの部分で点を取ればよい」という考えが自然に出てくるのですが……。

第二のポイントとして、大問1の問題数が、リーディング全体の半分以上を占めていることです。

つまり、大問1は捨てられません。リーディングは全41問で構成されていますが、そのうち大問1は25問を占めています。ですから、他の大問をすべて正解したとしても、大問1の正解率が50%なら、リーディング全体の正解率は7割を切ってしまうのです。

《「準1級に通らない病」の正体》

「英検2級には合格したのに、英検準1級には合格できない」という声を耳にします。

今まで見てきたように、

英検準1級を攻略するためには、大問1の攻略が必須です。

そして、大問1を安定して攻略するためには、11000語の語彙力が必要になります。

そのためには、追加で6000語(単語帳4, 5冊分)を覚えなければなりません。

これを理解せずに英検準1級を受けても「リーディングパートの点数が足りず、合格できない」事態に陥ってしまいます。そして、この「語彙への努力不足」こそが、多くの場合「英検準1級受からない病」の正体になっています。

ですから、英検2級に合格してもすぐに英検準1級を受けるのではなく、多少間をあけて勉強してから準1級に挑むのが良い方法です。

つまり、「高校3年生のうちに英検準1級を取りたい」のなら、高2の間には単語の勉強をスタートしておくのがベターです。高3になってから始める(受験勉強の合間に、約半年で単語帳を4, 5冊分覚える)というのは、不可能ではないものの、相当な努力が求められる考え方だといえるでしょう。

《最後に》

単語の他にも、英検準1級が難関となる理由は存在します。

リーディング大問1と同様に、リスニングで使われる単語も難化します。リーディング長文やライティングの語数は1.5倍に増加します。スピーキングも、「今後犯罪率は上昇するか」等の公的な話題について、即座に回答できなければなりません。

全てに独学で対応するというのは、大変なことです。

そんな時に頼りになるのが、自分の弱点に合わせて指導できる、そして自己採点し辛いライティングやスピーキングについても指導できる、プロの家庭教師です。

英検などの英語民間試験でお困りの際は、プロ家庭教師のDIC学園にご相談ください。

*2019年度第1回の大問1の分析結果。11000語あれば、全選択肢の意味が理解・予測可能です。10000語に減らしたとしても、正答を導くことは可能です。しかし、9000語まで減らしてしまうと、選択肢の語が4つ中2つしか分からない問題が生まれ、運に頼る場合が出てしまいます。

※冒頭のグラフは、新学習指導要領の下、5級を中1の終わりで、4級を中2の終わりで、3級を中3の終わりで、準2級を高校2年中ごろで、2級及び準1級を高校3年の終わりで受験する際の、「(英検大問1の解答に十分な語彙数)-(学校で学習する語彙数)」の値について表したものです。

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