「理系(医学部)入試と国語についてー現代文編」

はじめまして。熊本校で、高校入試では国語、英語、世界史を中心に指導させていただいております杉山です。一緒に勉強しているパートナーのみなさんができなかったことができるようになること、その瞬間に立ち会えることがうれしくてこの仕事をしています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

今回は医学部を中心とした難関国立大学を受験される皆様、特に理系志望の皆様にとってネックとなりがちな国語、特に現代文についてお話したいと思います。

センター試験国語の特徴

なぜ理系の皆様にとって、センター試験(新大学入試共通テスト)の国語が厄介なのか?それは次のような性質があるからだと私は考えています。

1)制限時間の厳しさ。

現代文2題、古文1題、漢文1題。合計80分です。大学入試共通テストではこれに加えて長い記述を含む論述問題が追加され計100分になる予定です。相当なスピードで課題文を読み、問題を処理する必要がある計算です。現状論述がなくても、大抵の受験生は模試や過去問の演習で時間切れになった経験があるのではないでしょうか。本番前は「過去問」を使った時間配分の実践演習を「必ず」行う必要があります。

2)各問の配点の大きさ

問題数の関係で一問あたりの配点が他の科目と比較して高く設定されています。ということは、出題される各大問で課題文の文意を取りそこねるような事態に陥ってしまった場合、大きく失点をしてしまう可能性があるということです。

3)難解な課題文出題の可能性

評者によっては東大二次よりも難しい文章が出題されることがあるというのがセンター古文です。また、評論でも難解な課題文が出題されるところがあり、結果として平均点の上下の振り幅がとても激しくなっています。

国立大学医学部では二次試験で国語が出題されることはほぼありませんが、センター試験で国語はそれなりの配点を占めています。センター国語で大失点をしてしまったために、目標とする大学を受けられなかったというのはよく耳にする話です。そこで、上記のような特徴を踏まえつつ、どんなに失点しても国語で150点は確保するそういう意識と対策が理系の受験生にとっても必要だと思います。

受験国語についての常識・非常識=大学入試における現代文学習の重要性

上に述べたような性質のため、センター試験(大学入試共通テスト)国語は理系の生徒さんにとっては満点を目指すことがとても難しい内容になっています。このような特徴をふまえたものなのか、一部の医学部受験の専門家の先生によって、「現代文はセンスだから勉強しても無駄。その分古文、漢文の勉強をするべきだ。」という意見が述べられていることがあります。これは適切な対策なのでしょうか。

確かに、読書経験が豊富で、ある程度現代文の力がある(何もしなくてもセンター現代文で8割くらい取れる)人にとってはこのアドバイスは効果があるのかもしれません。しかし、このレベルで得点できている生徒さんはあまり多くないというのが私の印象です。また、背景知識が偏っていて、取れる分野と取れない分野の差が激しい生徒さんも、国語の読解の前提となる知識を身につける必要があるでしょう。少なくとも、センター現代文が6~7割得点できるようになるまでは、現代文は優先的に学習する価値があります。

また、現代文がわかるようになることは、現代文で点数が取れるようになること以上の果実を生み出すと私は考えています。まず、同様の読解科目である英語の学習の手助けをする効果が期待できます。その効果は英語だけにはとどまりません。日本は優秀な参考書がとてもたくさん出版されている社会ですが、優れた参考書を使用しても、その参考書を読みこなせるだけの読解力がなければ、その効果は半減してしまいます。現代文を勉強することは、すべての科目の実力を底上げする効果があるのです。

では、その現代文の力をつけるためにはどのように学習をすればいいのでしょうか。私は、

1)語彙力アップ課題

2)読解力+正解力アップ課題

の2つがあると思っています。以下に説明していきますね。

読解力アップ課題=言葉の力を身につける

 まずは、言葉(中心は漢字)の勉強から始めましょう。

進学校ともなると様々な漢字や言葉のテキストが渡されると思いますが、それが使いやすいか、ご自分の実力にあっているか確認してみてください。大学入試用の難解な現代文用語テキストを渡されていても、「二束三文」や「傍若無人」「大言壮語」といった高校入試レベルの四字熟語の意味や使い方が「即答」できないならば、それはそのテキストをまだ使いこなせるレベルになっていないと判断できます。

言葉(漢字)の学習をするときに重要なのが、意味と使い方も一緒に覚えてしまうことです。そのためには、言葉と意味と例文がセットで記載されているテキストを使用するのが効果的です。

中学入試レベルからの言葉力に不安があれば

『言葉力1200』(学研)

高校入試レベルからの人は

『スタートアップ基本漢字1400』(現文社)

高校入試レベルは完璧という生徒さんは

『生きる漢字・語彙力』(駿台文庫)

あたりが使いやすいと思います。漢字、例文、意味が記載されていますので、自分が知らないところにマークをして、何度も繰り返すことで覚えてしまってください。印をつけて、短時間に徹底的に繰り返すことが覚えるコツです。

どうしてその意味になるのかわからない。そういう言葉は覚えにくいものです。その時にはインターネットを活用してみるとよいでしょう。「○○ 語源」とか「○○ 由来」で検索してみるのです。そして、なるほどと思ったり、面白がったりしてください。面白かったらその内容を、緑のボールペンでテキストに書き込むことを私はおすすめしています。

たとえば、大学入試レベルで押さえておきたい慣用句に「にべもない」という言葉があります。「愛想がない。」とか「そっけない」という意味の表現です。この言葉の中の「にべ」とは、実は魚のことなんです。スズキ目ニベ科の魚で浮袋を煮詰めるととても粘着性があり、昔はこれを使って「にべにかわ」という接着剤を作っていたんですね。それが人同士の親密性を表すのに使われるようになり、このようなベタベタしたところがまったくない様子を「にべもない」と言うようになったと言う訳です。一度このように言葉の語源について調べて、面白がっておけば、なかなか忘れない知識として言葉力を身に着けていくことができます。ぜひ、ご参考になさってください。

また、医学部や難関大学受験を将来考えられているご家庭では、お子様が早いうちから意味と言葉と使い方に慣れておくようにしておくことが有効だと思います。言葉と意味をセットで覚えられるような、例えば、『マンガでわかる10歳までに覚えたい言葉1000』(永岡書店)のような本で子どもたちの知的好奇心をくすぐっておくことをおすすめします。

 

読解力+正解力アップ課題=高校受験の問題集からやり直す

センター試験は時間が足りなくなる試験ですが、いくら時間が足りないからと言って「本文を通読せず」に問題文と傍線部の周りだけ読んで解答しようとしていませんか?私は、最初の指導で基礎力テストとして、文章題を解いてもらいますが、このやり方で解いてしまったパートナーさんには厳しく改めるように指導しています。なぜなら、大学入試は全体を通読せずに問題を解くと解釈を間違える問題を出題してくるからです。まず、全体を大まかに通読してどういう話かをつかみ、その上で、各段落や傍線部、空欄ごとに細かく分析していくそういう解き方を身につけていく必要があります。

これらのプロセスができていない生徒さんがこれを身につけるためには手っ取り早い方法があります。それは「高校受験の問題集を一冊しっかり仕上げる」ということです。なぜなら、高校入試レベルの問題集では、その文章の話題や場面を大きく掴むことができれば、それが「正解の根拠」となる問題が多いからです。

このとき、使用する問題集は、本文の解説正解の根拠の解説ともに詳しいものを選んでください。例えば、選択問題で正解の肢の理由だけでなく、誤答の肢もなぜそうではないのか解説してあるものがよいでしょう。一部のテキストには、別に講師が解答解説を講義することを前提としていて、解説が薄いものもありますのでそれはこの段階での学習には向きません。「本文の内容がどういう話だったのか」、それぞれの設問について「どうしてそれが正解なのか」「それ以外の選択肢がどうして不正解なのか」説明できる状態を目指して学習してください。

説明を聞いてくれる相手がいなくても心配いりません。小さな人形みたいなもの相手でもいいのです。自分が好きな人とか、一番大事な人を思い浮かべて、その人にわかってもらうためにどう説明すればいいのか意識して、説明する練習をすれば効果が出てきます。(そんなときは、熊本弁で言う「ひっかかりまんかかり」ではいけませんよね(苦笑)。)もちろん、私と一緒に勉強するパートナーさんは、適切に「説明できているか」しっかりチェックさせていただいています。

 

終わりに

本日は最初に達成してほしいレベル、現センター試験現代文6~7割に到達するために私が必要だと思っていることを、大急ぎではありますが一通り説明させていただきました。ご参考にしていただければ幸いです。

一人ひとりの生徒さんごとに前提条件は異なります。ここで紹介した勉強法もそれぞれご自分で実践して確かめながら、私が説明したコアな部分をキープしつつご自分が使いやすいようにアレンジしていく必要があります。自分なりの文章の読解方法や、問題文の検討方法を編み出して私をびっくりさせてほしいと思います。そういう瞬間に今年も立ち会っていきたいですね。

もし、熊本校のお近くにお住まいで、私がお話した勉強法で頑張ってみようと思われた方は、是非本校までご連絡ください。一緒に頑張ることができる日を心待ちにしております。

参考

http://gogen-allguide.com/

語源由来辞典HP

プロ家庭教師のDIC学園 熊本校

℡:0120-598-123

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする