古文は面白い

こんにちは、熊本校の石井 宏治です。

古文の指導をしていると、古文はつまらない、という声を時々聞きます。品詞分解をして辞書で単語の意味を調べて助動詞の判別をして……随分な手間をかけて口語訳をしたわりには、たいした内容ではなかったりすると、その気持ちもわからないではありません。

教科書や問題集で扱われている文章は、正直あたり障りのない部分が多いので、印象にも残りにくいものです。古典というと、何か高尚な気がしますが、五百年前も千年前も貴族であっても武士であっても、人間である以上感情はあるものです。拗ねたり嫉妬したり片思いしたり、私たちと同じだと思うと、少しは身近に感じられます。

春はあけぼの、で知られる枕草子も、教科書等に登場する箇所以外には、クスッと笑える話が多くあります。うまく着物が縫えた!と思ったら裏返しで縫ってしまっていて腹が立った話や、説法する僧の顔はイケメンの方が話をよく聞ける話。夫が探してくれると思って家出した妻がいつまでたっても探しに来ないのでスゴスゴと帰るのは情けない、といった今で言う女子トークのような内容が次々と出てきます。

また紫式部日記にはこんな件があります。「清少納言は感性も鋭いし表現も鮮やかだけど、未熟で大したことはない。利口ぶって知識をひけらかす女はろくなことはない。」枕草子の中には自分の教養が高く評価されているという自慢話が多いことへの皮肉でしょうか。清少納言と紫式部、宮仕えの時期は少しずれているものの、当時の貴族にも清少納言派と紫式部派がいたのだろうかなどと考えてしまいます。

ところで、今、平安時代に書かれた落窪物語を読んでいるのですが、これがまた面白い!簡単に言えば平安版シンデレラストーリーなのですが、生母が亡くなった落窪の姫も、それをいびり続ける義母も、王子様にあたる右近少将もキャラクターがいきいきとしているのですが、姫の使用人のあこきのキャラの濃さがこれまた笑えます。古文を読んで笑うことなどないと思っている人に是非読んで欲しいと思います。漫画化されているので、全体のあらすじを漫画で知ってから原文を読んでみるのもいいでしょう。原文と現代語訳が同時に載っている本もあります。一文ごとに交互に読み進めて、ぐいぐいと平安貴族の世界に引き込まれてみるのも、古文好きになる早道かもしれません。

つまらない(笑)部分の一部抜粋だけを読んで古文嫌いになっている片方に、是非一度、物語全文を読む機会を作ってほしいです。短い文で構いません。きっかけは漫画でもいいのです。ストーリーとして読み通すことで見えてくるものがあったら、当時の文化・習慣・行事などにも関心が出てきます。その頃にはもう、古文嫌いは払拭されているはずです。

ディック学園 熊本校
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