グローバル化と2020年大学入試改革

こんにちは、受験生全員合格に向けて日夜粉骨砕身の努力を重ねている久留米校の鹿野です。

さて先日、英国の高等教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)による「世界大学ランキング」(2019年版)で、日本から前年を14校上回る103校がランクインしましたね。

このように、日本の大学は急ピッチでグローバル化を進めています。私たちの主要な関心事である大学入試改革も、当然ながら同じ流れにあります。今回扱うのは、この観点から大学入試改革を扱った「2020年の大学入試問題」です。著者はかえつ有明中・高等学校校長の石川一郎先生。「21世紀型教育を創る会」の幹事であり、その中での議論や、先生自身が実践されてあるアクティブ・ラーニングが細かく紹介されています。大学入試改革は「高等学校基礎学力テスト」「大学入学希望者学力評価テスト」「各大学個別の独自入試」の3層構造が想定されていますが、本書は「各大学個別の独自入試」が中心です。

その一例として、2015年の順天堂大学医学部の小論文試験を見てみましょう。「キングス・クロス駅の写真です。あなたの感じるところを800字で述べなさい。」

これは一般の小論文試験ですが、これを解くためのスキルが、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングです。より細かくは「コンペア・コントラスト(比較対照)」「ファクト・オピニオン(事実と意見の峻別)」「コーズ・エフェクト(因果関係)」「カテゴライズ(範疇化)」の4つのスキルに分けられます。まず、写真の情報をすべて列挙します。目立っているもの、そうでないもの、明暗や色調などです。ここでコンペア・コントラストのスキルを使い、例えば「赤い風船と紳士」を「置き忘れられた現代社会の大切なもの」と「人間の孤独」と捉えます。こうした展開にはブレインストーミングやマインドマップの技法を使います。それをコーズ・エフェクトでつなぎます。最後に英検やTOEFLのエッセイで学ぶ、イントロ・ボディ・コンクルージョンの形式でまとめれば完成です。

この類の問題がなぜ2020年の大学入試改革以降で主流になるのか。それはこの試験がLOT(Lower Order Thinking通常次元の思考)ではなく、HOT(Higher Order Thinking高次思考)まで要求しているからです。LOT/HOTの区別はアメリカの認知心理学・教育心理学のベンジャミン・ブルームに拠っています。LOTは「知識」「理解」「応用」に、HOTは「論理的思考」「批判的思考」「創造的思考」に分類されます。英国のGCE-Aレベル、国際バカロレアのディプロマ、米国のアドバンスドプレイスメント、フランスの高校卒業資格はHOTレベルがあることを証明します。しかし、日本の高校卒業資格ではその能力を身につけていることが認められません。それを世界に認めさせるための改革が2020年大学入試改革の狙いです。

本書では、その他「自分軸」「モヤ感」などの重要なヒントが示されています。対話型の家庭教師による指導は、これらをつくりあげ、大切にしていく一助となるでしょう。興味のある方お問合せください。

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