~ あなたはどれで勝負する? 理科の科目選択 ~

こんにちは。鹿児島校チーフチューターの山下です。

2学期も終わりに近づき、冬休みまでもう僅かですね。

高校1年生の冬の時期がやって来ると、例年検討を迫られるのが高校2年生からの文系、理系のコース選択に加え、理科と社会の科目選択です。

迷わずすんなり決められる人もいれば、まだどうしようか悩んでいる人もいることでしょう。

そこで今回は、将来理系への進路を考えている人を対象に、理科の科目選択についての判断材料とポイントをお伝えしたいと思います。

例年、センター試験の理系受験者の割合は「物理+化学」が約67%、「生物+化学」が約32%となっていますが、将来の進路に大きな影響を及ぼすであろうこれらの選択は、しっかりと考えた上で決めてもらいたいものです。

個人的な見方でですが、各科目の特徴は以下のようになります。

★生物

●理系で学ぶ主な内容

生命現象と物質
生殖と発生
生物の環境応答
生物の進化と系統
生態と環境

●科目の特徴

・入試の問題文は長文が多く、読解力を要し、記述の設問が比較的多い。国語や社会に近い科目。・分野毎の内容が比較的独立している。
・受験者全体の得点分布はまとまっており、高得点者は少ないが、低得点者も少ない。・比較的進展が目覚ましい科目のため、教科書改訂のたびに新たな用語・定義が追加される。

・計算は少ないが、必要な暗記量は最も多い。
・理系志望者で物理数学ができない人のための駆け込み寺となっている側面もある。

●受験で必須となる学部

・農学部の一部
・医学部看護科の一部
・水産学部の一部
・理学部生物学科の一部

●メリット

・数学が苦手な人でもとっつきやすい。
・極端に悪い点数や赤点地獄に陥るリスクは少ない。
・化学の高分子化合物で、生物で学ぶ生体内の反応の知識が活かせる。
・分野ごとの関連性はあまりないため、好きな分野からでも学習を始めることが可能である。(授業を長期欠席した人でも学習を再開しやすい。)

●デメリット

・受験できる学部の選択肢がやや少ない。
・生物では数学をほとんど使わないため、学年が上がるにつれ数学(特に数学Ⅲ)で伸び悩む傾向がある。
・得意な人でも満点(高得点)がとり辛く、高得点が必要な高倍率の入試では、物理選択者に競り負ける傾向がある。

★化学

●理系で学ぶ主な学習内容

物質の状態
物質の変化と平衡
無機化合物
有機化合物
高分子化合物

●科目の特徴

・記述試験の問題文が比較的長く、読解力に加え、理解力、暗記力、思考力、計算力と様々な要素を含む自然科学の中核となる科目。
・難関の入試では、未知の物質がテーマになりやすく、その対応力が求められる。
・社会と数学を併せたような学習法が求められる。
・受験者全体の得点分布は、比較的散らばっており、高得点者から低得点者まで様々である。

●受験で必須となる学部

・環境系学部の一部
・栄養系学部の一部
・医学部医学科の一部
・工学部の一部
・医学部検査技術科の一部
・薬学部の一部
・理学部化学科の一部”

●メリット

・すべての理系学部を受験できる。
・得意な人はセンター試験で満点が狙える。

●デメリット

・モル計算で躓くと、全般的に化学を学ぶ気が失せる。(今後の他分野の得点に影響する。)
・様々な要素を含むので、化学以外の教科(現代文、数学、物理、生物)の基礎学力もある程度はないと、得意科目にはできない。

★物理

●理系で学ぶ主な学習内容

運動力学
熱と気体
波動の性質
電磁気
原子

●科目の特徴

・数学のように理解を積み上げていく科目。
・運動力学やエネルギーを中核として、他分野との関連性もある。

・入試の問題文は理科4科目の中で最も短い。
・難関の入試では、数学力を要する問題が多い。

・必要な暗記量は少ないが、数式処理が多い。
・受験者全体の得点分布は、かなり散らばっており、高得点者から低得点者まで様々である。

●受験で必須となる学部

・医学部医学科の一部
・医学部放射線科
・工学部の大半
・薬学部の一部
・生命系学科の一部
・理学部物理科の一部
・理学部地学科の一部”

●メリット
・センター試験で最も満点がとり易い。(高得点者の割合が最も多い。)
・理系の物理では、数学を応用して問題を解くため、数学との相乗効果が得られる。(数学Ⅲの物理への応用公式等)
・熱エネルギーや原子、気体の性質など、化学と関連する内容を学べるため、理論化学が理解しやすくなる。

●デメリット
・数学ができない人が選択すると、ほぼ間違いなく赤点地獄に陥る。(数学が人並みにできれば学習可能。)
・運動力学で躓くと、他分野の理解にも影響する。
・記述試験で大問の最初の設問(1)を誤ると、雪崩式に大問を落とすリスクがある。

★地学

●理系で学ぶ主な内容

固体地球とその変動
地球環境の歴史
大気と海洋
宇宙の構成
自然との共生

●科目の特徴

・地球を含む天体すべてを対象としているため、学習するスケールが最も大きいが、受験地学としての学習範囲は、理科4科目の中で最も少ない。
・生物、化学、物理、地理のいずれとも関連する分野はある。

・入試の問題文が比較的長い。計算も多少はある。
・受験者全体の得

点分布は、比較的まとまっており、大きく差はつきにくい科目といえる。

●受験で必須となる科目

特になし

●メリット

・比較的とっつきやすく、極端に悪い点数や赤点地獄に陥るリスクは少ない。
・AO入試や推薦入試および大学進学後は、貴重な地学履修者として重宝される。

●デメリット

・指導できる先生がほとんどいない。
・参考書や受験教材があまりない。
・受験できる学部が、農学部と水産学部と理学部といった環境系の学部に限られる。

まとめ

理科の科目選択のポイント
① その科目で、自分の志望する大学の学部・学科が受験できるかどうか。(受験で使えなければ履修してもしょうがない。受験可能な学部が多い科目順は[1]化学、[2]物理、[3]生物、[4]地学)
② 自分にとって興味・関心のある科目であるかどうか。(これが学習意欲を引き立てる。)
③ その科目を学習することで、他教科との相乗効果が期待できるか。
④ その科目を学んでいけるだけの基礎学力が自分に備わっているかどうか。
⑤その科目を学ぶことで大学進学後も教養として活かせるかどうか。

志望校は3年生になってからでも変更ができるとはいえ、選択科目は高校1年生のうちに決めなくてはなりません。そしてその選択科目で、受験できる大学や学部や学科が制限されることもあります。また、どの科目でも受験可能ではあっても、大学によって実際の合格率は特定の科目の受験者のみ極端に有利なケースもあります。(例:広島大学医学部医学科は、例年物理受験者の合格率は生物受験者より高く、合格者の93%が物理受験者)

志望校や志望学部志望学科が決まっているなら、このようなデータも参考にしてみるといいでしょう。

理系受験においては、理系教科の入試における配点は大きく科目選択は重要なので、「友達がみんなとるから。」等と安易に流されずに、各科目の特性を理解して自分の進路に必要かどうかや、自分の学力・志望校の出題傾向や合格者の傾向を熟考した上でしっかりと選択して頂きたいと思います。

以上

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